■■■平成14年記事■■■
◆情報化社会の功罪(9/22)
会社の中の犯罪行為(4/9)

◆就業時間中の交通事故(3/4)
◆ニュージーランド視察(2/22)

◆千円でてきる!!会社の調査(1/4)
 





情報化社会の功罪(9/22)

「情報化社会」などという言葉は、もはや死語なのかもしれませんが、それに しても便利な社会になったものです。目にも見えない電波や細い電話線の中を時間や距離という概念を超越した信号となって「ヒト・モノ・カネ」に代わる大切な情報が飛び回っているそうじゃありませんか!!携帯電話では動画が送られ自動車ナビゲーションでは進行方向の交通渋滞が表示される時代です。
しかし、利便性が向上したところに問題点が出てくるのも、何故かこの世の常。「ワン切り」に「個人情報漏えい」など、情報端末を媒介とした社会問題が新聞 に載らない日がなくなりました。

思い切って はじめてのおつかい

小さいころ、八百屋でピーマンとにんじんを買ってくるように言いつけられたことはありませんか?お母さんから渡された小銭を無くさないようにギュッと握り締めながら、小走りに駆け出した初めて経験。その忘れかけていた緊張感を再び味わう出来事がありました。私の事務所の文房具類を、パソコン上から発注したときのことです。欲しい商品に目星をつけて、金額を確かめてからワンクリック。ドギマギしながら送信ボタンを押すと、八百屋のおっちゃんの代わりに「ご注文承りました。」の文字が・・・果たして、これでちゃんと買えたのでしょうか?

■ 「すいません、間違いでした。」

「おじちゃん、このピーマンとにんじんをください。」「はいヨッ。」という何気ない会話には、買主の「申し込み」と売主の「承諾」という、とても大切な意味が含まれています。この両方があってはじめて売買が成立するからです。ところでインターネットで文房具を買った場合、どの時点で契約が成立するのでしょうか? (おっちゃんがすぐに返事をくれればいいのですが・・・。)

 B Business:事業者) to CCustomer:消費者)の電子契約では、インターネット環境に不慣れな一般消費者を保護する目的から、操作ミスによる契約を無効とする大原則をつくりました。しかし、いつ契約を無効解消されるかわからない事業者側の不安定な立場を考慮して、商品申し込み画面に
 @「購入します」というボタンをつくる
 A「この商品を申し込むことになりますがよろしいですか
?」と問いかける 
 B申し込み後メールで購入内容及び購入意思を再確認する
などの確認措置を設けていれば、消費者の申し込みを操作ミスのない申し込みとみなす規定を盛り込みました。
(電子契約法第3条)

私のインターネット版はじめてのおつかい場合、Bの後送されてきたメール内容でコピー用紙を150箱も注文していたことに気づき、なんとか品物を受取る前に注文を取り消すことができました。(助かった、ほんとに助かった。)

■ 「私には身に覚えがありません」

  契約成立時期以外で問題が指摘されているのは「なりすまし」。第三者が契約申込者のフリをして、事業者に商品を申し込んでしまうというものです。技術的に巧妙な第三者であれば商品を自分のところに送らせて、決済のみ契約申込者銀行口座を指定することも考えられるため、その方策が議論されているところです。現時点では、金融機関が指定するパスワードやIDナンバーが使用された場合には「成りすまし」に気が付かなかった金融機関側に責任がないという見解が有力です。

■ 「あなたは誰?

社会人になって初めてクルマを購入した時、印鑑証明書を提出した記憶がありませんか?皆さんが車を保有する意思があるかどうかを確認するため、陸運支局が要求しているためなのですね。

ところで電子取引の場合には、印鑑証明書に代えて「電子認証」という考え方を広めていこうという動きがあります。公共性の高い認証局を設置して、申し込みの際に電子認証を経由させ、担保性、信頼性を確保するわけです。電子認証を経由した申し込みであれば「なりすまし」の危険性が低くなるという感じです。どうしても技術的な限界があるため、100l安全とは言い切れませんが。

 これからは、素早く情報を得て、判断・行動しなければならない「自己責任」の範囲が広がっていきますね。





会社の中の犯罪行為(4/9)

 「ヘクション!!んっ、風邪かな?」と思ったら、まず皆さん風邪薬を飲みますよね。それは風邪をこじらせて大事に至らないための防止策です。
ところで、会社の中で起こり得る大きな問題の一つに会社の中での犯罪があります。この場合も同様で大事に至らないよう事前の防止策が肝心なのです。最近では予防法務とか、コンプライアン(compliance)という呼び名で注目されている考え方です。


■ 会社の文房具は持ち帰っても良いもの?
 
会社の同僚Aさんが、会社備え置きのボールペンを勝手に持ち帰っていたことを知ったらあなたはどうしますか?勿論そうですよね、100円くらいだから見て見ないふりをしますよね。それではあなたが経営者だったら?Aさんをいきなり解雇できますか? 
 
ここで着目しなければいけないのは、金額の大小ではなく会社の物を持ち帰るという行為そのものです。業務上横領(後記刑法第253条をご参照ください)の場合、横領の対象が身近に存在(自己の占有する他人の物)するため、放置してしまうと頻発累犯の可能性が高くなるのです。
100円のボールペンが会社の商品に代わり、最後には売上金へとエスカレートすることにも成りかねません。使用済み文房具と新品を交換する、保管ノートを作るなどして会社のシステムを確立させるべきです。もちろん現金出納はより徹底しなければいけません。「つい出来心で・・・」という気持ちにさせてしまう会社側にも少なからず責任はあるはずですから。

■ 口は災いの元!
 
日本屈指の某アミューズメントパークでは、通勤時に電車の中などで仕事上のウワサ話をしないように指導しているそうです。「お客様の夢を壊さないため」というのが理由だそうですが、お客様本位の考え方を徹底している好例ではないでしょうか。ただ、どうもそれだけではないようです。
 
人の性格が異なるように、企業にもそれぞれの特色があります。その特色の中には営業上のノウハウなど、あまり他人(他社)に知られたくないものがあるはずです。

従業員が知りえた会社の情報などを野放図にしていると、このノウハウの部分がライバル会社に漏えいして不測の損害を被る場合も考えられるのです。従業員のモラルに依存してしまうのは危険です。場合によっては採用の際に文書化し、日頃から守秘義務を課すことも必要となるでしょう。技術が日進月歩のIT分野では人材も流動的なので、「退社後何年間は同業他社への転職を禁ずる」という雇用契約を結ぶ会社もあるそうです。
 
■ 「おぬしもワルよの〜」
 
時代劇で○△屋が悪代官に小判入りの菓子箱を渡す場面は有名ですね。たとえお代官のような公務員でなくとも、自分の立場を利用して私腹を肥やす企み(たくらみ)を実行してしまうと犯罪になります。(後記刑法第247条をご参照ください)特に 会社の取締役など指揮命令権を持つ者が実行した場合、商法の特別規定で刑罰が加重されています。
 ところが背任行為は巧妙なものが多く、見破ることも防止することも難しいのが現状です。

■ ゴミの中にも犯罪の温床が・・・
 
数年前関東地方の司法書士事務所が、出したゴミの中の情報を悪用されて事件に発展したことがありました。みなさんがこれまで経験してきた職場では、ゴミの捨て方に気を配っていましたか?顧客の住所、氏名、生年月日などが記載されている文書はできるだけシュレッダーにかけましょう。

近頃はパソコンデータの取り扱いにも気を配らなければなりません。不特定多数が使うパソコンは保護機能を利用し、インターネット接続環境にあるものはファイアーウォールなどの保全投資を心がけましょう。下取りに出す場合にはハードディスクのデータを消去する必要があるかもしれません。下取った電気店が全部消してくれるという保障は全くないのですから。

 少し神経質かもしれませんが、このようにして日頃から問題発生を予防しておくことが一番簡単でお金のかからない方法なのかもしれませんね。

刑法第252条(横領罪)
  @ 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

刑法第253条(業務上横領罪)
 業務上自己(従業員)の占有する他人(会社)の物を横領した者(従業員)は、10年以下の懲役に処する。

刑法第247条(背任罪)
 他人のためにその事務を処理する者(従業員)が、自己若しくは第三者の利益を図り、又は本人(会社)に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人(会社)に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

商法第486条(特別背任罪:原文は文語体です)
 発起人、取締役、監査役(省略)その他営業の種類若(も)しくは特定の事項の委任を受けたる使用人(が)、自己又は第三者を利し(利益を図り)又は会社を害せんことを図りてその任務に背(そむ)き、会社に財産上の損害を加えたるときは、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金に処す。






就業時間中の交通事故(3/4)

― A株式会社のハツラツ新入社員Bさんは、上司Cさんから「銀行に行って今月の必要経費を引き出してきてくれない?」との依頼を受けたため、社用車で10`先の銀行に向かいました。通い慣れた道のため漫然と走行していたところ、見通しの悪い路地から飛び出してきた小学生への発見が遅れ、衝突して死亡させてしまいました。―
  
            

■ あなたが加害者Bさんであった場合  
加害者Bさんは「直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない(道路交通法第72条)」という「責任」があります。たとえこの責任を果たした場合でも、刑事上「業務上過失致死罪」に問われ、行政上「道路交通法違反:前方不注意」で運転免許取消になり、民事上亡くなった小学生に対して償いをしなければなりません。 中でも民事上の償いは「損害賠償」と呼ばれ、亡くなった小学生が一生涯に得ることができたであろう収入を試算して、金銭で支払うというものです。お察しのとおり、莫大な金額を請求されることになります。保険会社が自動車保険の対人賠償を無制限にするよう勧めるのは、ここに理由があります。

■ あなたが小学生の親であった場合
しかし、たとえ莫大な金銭を手にしても、亡くなった子が帰ってくるわけではありません。ここに法律システムの限界があります

■ あなたがA株式会社の社長であった場合  
ご両親からの請求で莫大な金銭を支出したA社は、第715条第3項に基づいて新入社員Bさんに求償することができます。
ただ、加害行為に至るまでの予防配慮や事業自体の性格、労働条件、Bさんの勤務態度なども考慮されますので、支出した金額全部をBさんから回収できるとは限りません。何故ならば、裁判所はA社に対して事業上の事故という事実を踏まえ、道徳的に公平な分担を要求するためです。

 ですから、民法第715条第1項ただし書でA株式会社が新入社員Bさんに「相当の注意」を促していた場合は「責任」を免れるという規定がありますが、実際の裁判でこの免責が認められた例はほとんどありません。結論として、実際に事故を起こしてしまった新入社員Bさんは多額の出費から逃れることはできません。A社も社会的に非難され、今後の商売に悪影響を及ぼすことは間違いないでしょう。社内で日頃から交通事故防止の教育を行うことがいかに重要か、お分かりいただけましたか。
 
  茨城県ひたちなか市には全国有数の研修施設がありますので、この機会に利用してみてはいかがでしょう。

民法第709条(不法行為)
故意又は過失によって他人(小学生)の権利を侵害した者(新入社員B)は、これによって生じた損害を賠償する責任がある民法第715条(使用者責任)第1項 ある事業のため他人を使用する者(A株式会社)は、被用者(新入社員B)がその事業の執行につき第三者(小学生)に加えた損害を賠償する責任がある。

だし、使用者(A株式会社)が被用者(新入社員B)の選任及びその事業監督に相当の注意をした場合、又は相当の注意をしたけれども損害が生じてしまった場合はこの限りではない。

第2項 使用する者(A株式会社)に代わって事業の監督をする者(上司Cが該当するかどうかは微妙)も、第1項の責任がある。

第3項 第1項第2項の規定は、使用する者(A株式会社)や事業の監督をする者から被用者(新入社員B)に対する請求権の行使を妨げない。


TOPへ





ニュージーランド視察(2/22)


「小さな政府」に日本の目標を見つけました

今月半ば、入国管理事情や運輸関係の視察でニュージーランドに行って来ました。人口は羊の3分の1であることから、「あいつらは羊に飼われている」とオーストラリアの友人が揶揄しておりましたが、政策として人口増を推し進めているのは事実のようです。
 例えば他国では厳しい「永住権」の取得をとっても、大学卒業以上の資格を有する者であれば、年間180日以上の滞在を2年続け納税義務を果たすことにより可能となるようです。
 
 8日間でおよそ1700kmを走破しましたが、道路事情などは日本と比べ物にならないくらいシンプルです。標識などは必要最小限、幹線道路に懸かる橋も交互通行が多く、山間部でさえガードレールなど見当たりません。
 日本であればガードレールが無かっただけでも国家賠償法第2条(営造物の設置管理の瑕疵)に抵触する場合もあるのでしょうが、そこを交通マナーや理性でカバーしているわけです。
 
 人口が少ない分税収も限られるわけで、余分な支出をできるだけ抑えるような工夫がいろいろとありました。そう言えば、現政権は維持管理負担軽減の見地から、空軍を廃止してしまったそうです。
 
 どこぞのアジア小国の首相にも知らせてあげたい実行力です。


TOPへ






千円でてきる!!会社の調査(1/4)


取引先や就職先の調査はお済ですか?
■ これからは自己責任の時代  
先月、知人の紹介でわたしの事務所に歳代前半の男性から問い合わせがありました。お話をうかがうと、「イベントでビデオ撮影などを代行する会社に就職したのだが、どうも様子がおかしいので退職したいが辞めさせてくれない」というものでした。雇用契約書を拝見すると、思わず「えっ」と声を出してしまうような常識の範囲を超えた条文がいくつかあったのです。  

幸いにして彼の場合私のアドバイスが功を奏して退職することができたのですが、彼のように就職できるうれしさが先行してしまい、雇用契約書の内容を吟味しないでハンコを押してしまう方は意外と多いのではないでしょうか契約を交わす時点では、法律上雇う側と雇われる側は対等の関係であるべきです。「これから給料をもらうのだから・・・」といって不明なところを曖昧にして就職してしまうと、不測の事態に遭遇して退職を余儀なくされ、結果として再度就職活動をしなければならなくなることに早く気づいてほしいのです。

■ さあ、法務局に行ってみよう  
スポーツでも戦争でも、まず相手を知ることが常套(じょうとう)手段ですね。就職活動においても例外ではないはずです。相手を知ることにより、自分は相手よりも一歩優位に立つことができるからです。
 それでは調査活動をしている皆さんの場合、どのように相手企業の情報を得ることができるのでしょうか?
せっかくこのホームページにお立ち寄りいただいたのですから、安くて簡単かつ的確な調査方法を伝授したいと思います。
○○株式会社や有限会社××といった「商号」と「本店所在地」さえわかれば、本店所在地を管轄する法務局で一通千円の商業登記簿謄本の取得が可能です。本社が遠隔地の場合でも、わざわざ出向くことなく往復切手代の負担で手続きに応じてくれます。)

■ 商号と本店住所は会社の「顔」  
登記簿の表紙には商号と本店住所が記載されます。短期間に何度も商号や本店移転を繰り返している会社は、少し慎重に対処しても良いでしょう。営業行為を目的とする会社であるならば、一人でも多くのお客様と取引ができることを願っているはず。その会社が何度も「顔」を変えてしまうということは@詐欺行為を繰り返す会社であまり実情を知られたくないA事務所家賃の滞納で転居が多いB経営者の方針が曖昧、などの理由が考えられます。

■ 目的は会社の「性格」
登記簿の二枚目は「目的欄」です。私達の会社はこのような商売をしている( 会社ですよ、と公開している)と考えてください。
 通常五から十ぐらいの目的が並んでいますが、それぞれがあまりにも関連性のないものならばやはり疑問を持つべきです。たとえば商号が×○運送有限会社という会社の場合「一般貨物運送事業」が記載されるのは納得できますが、「健康食品の販売」などが加味されていると、ドライバーとして就職した皆さんが健康食品を売らなければならなくなることも考えられますね。皆さんはそんな会社に就職したいですか?

■ 役員は会社の「原動力」
登記簿の三枚目は「役員欄」です。法律上は会長・社長・専務といった区分けではなく、代表取締役・取締役・監査役という区分けになります。
 この役員の誰かが「辞任」ではなく「解任」となっている場合、会社の中で何らかの紛争があったと読み取ってください。「解任」とは辞めたのではなく、辞めさせたという意味だからです。(株式会社の場合は二、三年に一度この役員欄が差し替えられるので、過去の様子を遡ることが難しい)
 皆さんは、事業を運営していく役員に問題が発生した会社に魅力を感じますか?

このように登記簿から企業の中身をいろいろと垣間見ることができるのですね。取引先や就職先の一資料として取得しておくことをお勧めいたします。


TOPへ


ご意見・ご質問等はinfo@3025931.comへどうぞ!